大人ADHD 月子の生き方

アラフォーにして、突如『大人のADHD』と診断された月子。 迎えた転機に人生を見つめ直し、新たな生き方を模索すべく日々奮闘中!

発達障害の診断を受ける必要性とは? ~その6.それって本当に…大人の発達障害?~

今回で6回目となる、“発達障害の診断を受ける必要性とは?”というこのシリーズ。


元はといえば、1つの記事を短めにして読みやすくなるよう『記事のシリーズ化』を検討したことに始まります。
(私が記事を書くと毎回長文となるため、読者さんは読みにくいだろうな…と、ずっと気になっていたのです)

そしてシリーズ化を導入することで私は、記事の長さを自由自在にコントロールできるようになる、あの伝説(笑)の『次回へ続く』という魔法の言葉を手にしたのです!


…のはずだったんですけどね。

毎回、その言葉が上手く発動してくれないのはどうしてなんでしょうねー?

不思議☆


って、そんなどうでもいいことは置いといて、本題に入ります。

前回の内容は、病院で診断を受けた際に“発達障害ではない”と言われる可能性について考察し、話を進めてきました。

今回はその続きでもあり、また別の視点から“大人の発達障害”を専門的に診てもらうとはどういうことなのか?を、私なりに語ることにします。

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大人の発達障害を専門に診るということ

まだかな

前回の記事では、発達障害の診断を受けるために行き易い精神科を選んだ結果、更につらい思いを強いられる可能性がある…といった内容で書き進めてきました。


このようなことを回避するためにも、できれば病院を探される際には大人の発達障害を専門に診ている病院かどうか、十分に調べてから予約をしていただきたい!と、私個人としてはそう思うのです。

そう断言するのには、もちろん理由があります。


実際に大人の発達障害を専門に診られている医師は、検査前の問診だけでも発達障害の有無や、どのような発達障害なのか…かなりの確率でわかるようです。

その理由として考えられるのは、その医師が多くのそして様々なパターンを持つ発達障害の方々を診られてきた経験に基づき、当事者や家族の話しを聞いただけでもある程度の予想ができるからではないかと思われます。

もちろん問診後には諸々の検査も行いますが、それは“発達障害である”という裏付けのためというよりも、検査結果を見て今後の治療方針や対処方法を考える判断材料にする…という位置付けのような感じがします。(これは私の個人的な推測です。)


ただ、本人に複数の併存障害がある場合や、二次障害の症状が前面に出ている場合は診断をすぐにつけるということが難しいため、まずは問題の解決を優先させるべく症状を抑えるための適切な治療だったり、困っていることを解消するためのアドバイスなりをする等の方法が取られることもあるそうです。

 

前回もお話しましたが、診断名が出ることよりも大事なのは『今現在、自分が困っていることを解消したい』という“目的”が達成できるかどうかだと思います。

大人の発達障害を専門に診られている医師は、発達障害に関する様々な情報や知識量も豊富なため、発達障害がある方それぞれの“困った現状”に対して、個々に合わせた対処法や工夫の仕方等、色々な角度からアドバイスをすることができます。


話は少し逸れますが、私たち夫婦も通院の度に主治医と色々な話をします。

先生の持つ情報や知識の引き出しの多さに「専門に診るってこういうことなんだ!」と驚きつつも、私の持つADHDについてはもちろんのこと、日常生活や子育て等のあらゆることに様々なアドバイスをいただけるので、困難やトラブル、苦手なことにも前向きに取り組むことができています。

私たちが最優先事項だと考えている“目的”達成に力を貸していただくとともに、何より私たちの“困った現状”に対し、親身に寄り添いながら考えてくださる先生のことを、夫婦ともにとても信頼しています。


話を戻しますが、大人の発達障害を専門に扱っている病院や医師は、発達障害者支援センター等との連携も密になりますし、その専門性を高めることで発達障害に関する様々な情報等も集まりやすくなることが推測されるため、当事者やご家族にとってもプラスになることが多いかと思われます。

大人の発達障害について専門的であるということは、発達障害の症状改善に必要な薬物療法・認知行動療法等の治療や、その他の様々な支援やプログラムも受けやすく、ひいてはそれが当事者の“困った現状”の解消につながっていくと考えられるのです。

 

 

大人の発達障害の専門外来において

下記サイトに興味深い話が掲載されていました。
もしかすると、大人の発達障害を診るという難しさが分かる内容…かもしれません。

www.nhk.or.jp


リンク先を下っていくと、昭和大学付属烏山病院・神経研究所晴和病院の医師、加藤 進昌先生の『発達障害専門外来の現場から』というコラムが載っています。

昭和大学付属烏山病院・晴和病院では、大人の発達障害に特化した外来を開かれているそうですが、コラム内で加藤先生はこう書かれていました。

この専門外来を訪れる人たちの中で、ASDと私たちが診断する方はおよそ3割です。ADHDが1割弱ですので、専門外来に発達障害ではないかと訪ねてこられる方々のおよそ6割には違う診断をお伝えしていることになります。グレーゾーンで確定できないけれど、デイケアで様子を見て判断しようという方も、3割の中には含まれます。実感では、確実にASDと私たちが診断する方はせいぜい2割くらいでしょうか。


私自身このコラムを読み、正直驚きました。

先生が診療を行っている専門外来において、『自分自身が“発達障害かもしれない”と思い病院へ診断を受けに行かれた方の半数以上が、実は“発達障害”ではなく他の疾患や障害だと診断されている』というような内容の話が含まれていたのです。

私の想像では、自分自身の“発達障害”に自ら気が付き、病院に診断を受けに行った人のその殆どが“発達障害である”と診断されるものだと思っていたのですが、それは私の浅はかな知識からの偏った考えであると、コラムを読んで思い知らされました。


確かによく考えてみると、発達障害がある人って自分自身に“発達障害がある”なんて思ってもみない…というか、気が付かないことの方が多いようです。
(このことはもちろん私を含めて…です)

理由について触れますと更に長くなりますので、次回または今後、詳しく掘り下げてひとつの記事として書きたいと思います。


上記引用はコラムの一部であり、「自分でASDだと思っても、そうではないと伝えられる方とはどういう人たちなのか…」といった内容がその後に続いていますので、気になられた方は直接読まれることをオススメします。


因みに、コラムの中では詳しく触れていませんでしたが、“発達障害ではない”が別の疾患があると診断された方々には、パーソナリティ障害・適応障害・社会不安障害・強迫性障害等の診断名が告げられているそうです。

それはそれで適切な治療が必要な疾患ですので、信頼が置ける医師と共に、それぞれの症状に合わせた精神療法や薬物療法等を行っていただきたいと思います。

 

 

大人の発達障害とは?

前回及び今回の記事を書くにあたり、取り扱う内容がデリケートなものだと感じたため、何度も考察を重ね、できるだけ誤解を招かないような文章を心掛けてきました。


診断された結果について、“誤診”だと言ってしまうのは簡単です。

私自身、『白か黒か』はたまた『百かゼロか』という極端な思考をしてしまう傾向があるため、発達障害があると思われる人に“発達障害ではない”という診断を出してしまうことは、“誤診”ではないか!?…と簡単に考えてしまっていました。

ですが、発達障害については分かっていない部分も多いため、正しい診断を行うこと自体難しいものだと思いますし、大人の場合は特に二次障害である別の精神疾患を合併していることも多く、診断がより複雑になっていることも事実です。


大人の発達障害とは何か?と考える時に忘れてはならないこと。

それは、“大人の”発達障害と付けているからややこしくなるだけであって、発達障害自体が脳に起因する生まれ持った障害であると定義されている以上、その当事者は乳幼児期からその発達障害の特徴を持っていたはずだと考えられます。

子どもの頃から大人になった今まで、大なり小なり同じような特徴が見られるのならば、やはり“発達障害”があったことを見過ごされてきてしまったと考えられますし、逆に大人になるにつれ発達障害に似た特徴が出てきたという場合だと、それは発達障害以外の別の疾患であると診断される可能性があるのです。

医学書院/書籍・電子メディア/大人の発達障害を診るということ

このリンク先で、紹介した上記書籍の詳しい内容について確認することができます。


最後になりましたが、前回と今回の記事内において、診断名がどうこうなんてことはそれほど問題ではない”と散々書いてきました。

ですが、実際には診断名がはっきりと分かっていた方が、自己理解を深める一歩となりますし、自分の得手不得手を把握することで苦手とする部分への対処の仕方等、様々な工夫を取り入れることができるため、より良い状態に持っていきやすいです。

私自身においても『ADHD』だと診断をされることにより、“その診断名が意味するところとは?”というような、はじめの一歩の状態から勉強・理解をすることが可能となりました。(まだまだ勉強中の身ですが)

またそれに伴い、家族や親族に対しても“どういう理解の仕方をしてもらえばいいか、またどういった手助けが必要か”等について働きかけ易くなったと感じています。


どんな疾患・障害にしろ、自分がどのような状態であるかが分からないということは自身での対策のしようがなく、不安な気持ちになりやすいと考えられます。
(ただ、症状によっては診断名がつけにくい場合もあるため、医師の指導や治療方針に従いつつ快方に向かっていただければと思います)

病院にて診断名が出せる出せない、付く付かないという問題は発達障害に限ったことではなく、同じようなことで悩まれている方は多いと想像できるため、診断名について考察を行うことへの難しさと、自身の未熟さとを改めて痛感させられました。


もしかすると、私が難しく考えすぎているだけかもしれません。

ただ、このシリーズ全体の記事を通じて、大人の発達障害の診断について考える小さなきっかけになればいいなと思っています。

これからも好き勝手に思ったことや感じたこと、役に立ったことや実体験など、色々と書き連ねていく予定です!


今回の記事はここまでとなります。

そして、次回はいよいよ…このシリーズのまとめに入ります。
(やっとかよ!って感じですが><)


最後までお付き合いいただければ幸いです☆


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