大人ADHD 月子の生き方

アラフォーにして、突如『大人のADHD』と診断された月子。 迎えた転機に人生を見つめ直し、新たな生き方を模索すべく日々奮闘中!

『アレルギー性紫斑病』原因不明の病気に罹った3歳の娘

今回は『アレルギー性紫斑病(しはんびょう)という病気にかかった娘の話をします。


あまり知られていない病気だと思いますので、簡単に説明をしますと、

“全身の細い血管がアレルギー反応により炎症を起こし、出血しやすくなる。”

『アレルギー性紫斑病』とは、そんな病気です。


アレルギー性紫斑病・紫斑病性腎炎 - 福岡赤十字病院小児科

アレルギー性紫斑病とは

  • ヘノッホ・シェーンライン(Henoch-Schönlein)紫斑病やアナフィラクトイド紫斑病などともよばれ、血管性紫斑病のひとつです。
  • 出血斑(紫斑)、むくみ(浮腫)、腹痛、関節痛などが主な症状です。
  • 3~10歳に最も多く、男児がやや多い傾向があります。
  • 小児では最も頻度の高い血管炎で、年間10万人あたり10~20人の発症率とされています。
  • 秋から初夏に多く、夏は少なくなります。
  • およそ50%の症例で風邪などの先行感染があり、発症までは1~2週のことが多いようです。
  • およそ半数に腎臓病が認められ、紫斑病性腎炎と呼ばれます。
  • 長期的には良くなることが多いのですが、1~2%の方には腎不全が起こるとされています。


アレルギー性紫斑病の原因

現在のところはっきりした原因は不明ですが、体を守る免疫システムの一つのIgAという種類の抗体と関連のある疾患と考えられています。先行感染としては扁桃炎などの上気道炎が中心ですが、副鼻腔炎(蓄膿)を起こしていることもしばしばです。先行感染の病原体はA群溶連菌、ブドウ球菌、ウイルス(水痘、肝炎、麻疹、風疹など)、マイコプラズマなどが知られています。

アレルギー性紫斑病・紫斑病性腎炎 - 福岡赤十字病院小児科


詳細な原因は不明ではあるものの、病気の発症前にかぜ等の

ウイルスや細菌の感染の症状があることが多いそうですが、

娘は全然その兆候もなく元気でした。


我が家に起こった今回の出来事は貴重な経験だと思っています。

今後どなたかの参考になるかも?と思ったので、書き残すことにしました。

長くなりますが、よろしければお付き合いくださいませ。

 

楽しい休日…のはずが!?

月子 イラスト 家族でドライブ

5月も半ばを過ぎた頃のある日曜日。

天気もいいし外出しよう!ということになり、家族3人で出掛けました。


車に乗って目的地へと移動中、娘は何度か「お腹が痛い」と言い出します。

ただ、しばらくすると痛みは収まるらしく普通に戻るので、

そこまで心配もせず、4時間ほどの外出を終え自宅へ帰ってきました。


食欲がなかったのか、出先ではほとんど食べなかった娘。

全然食べないのも…と思い、冷やしうどんを出したところ食べはじめました。

“元気だし、大丈夫みたい”と安心したのも束の間。

30分もしない内に「お腹が痛い!痛い!」強烈な腹痛を訴えた後、

食べたものを嘔吐してしまいました。


娘は滅多に吐くことがないので、何かしらの病気を疑いつつ、

その日は早めに寝かせました。

 

 

え?便秘…ですか!?

翌日の月曜日、やはり娘は調子が良くなさそうだったので、

保育園を休ませてかかりつけの小児科へ行きました。

診察を待っている間、娘と遊びつつ夫が話をはじめます。


「そういえば最近、お尻だけ上げた状態でうつぶせになってることが多いよね。」


“んん?あれ…?昨日、お腹が痛いと言ってたけど、腰も痛いって言ってたなぁ?”

「ねぇねぇ、昨日は腰…というより腎臓の辺りも痛いって言ってたよね?」


様々な症状に疑問を感じつつも答えは出ないので、会話は終了。

娘の方はというと、病院内で元気に遊びながら待っているといった様子。

そのうち診察の順番がきたので、診察室に入り先生に診てもらいました。


「嘔吐下痢症じゃなければ、子どもの腹痛はかなりの割合で

便秘が原因のことが多いですね。」


…え?べ、便秘?


いえ、確かに乳児の頃から娘は便秘だし、私に似て週一も…ざらですが(汗)

でも普段から便秘だからこそ、それとはどこか様子が違う…と思ったので、

心当たりのある症状を全て伝えてみました。

  • 胃の辺りの腹痛(でも、診察時には本人が“おへその辺り”と伝える)
  • 背中、腎臓の辺りの痛み
  • 食後の嘔吐(1回のみ)
  • 食欲不振


「一応エコーでも見てみましょう。」


月子 イラスト 便秘?

エコーで確認すると、腸に多少塊が見えるとのことで、浣腸決定!

…娘が乳児の時、この病院で一度浣腸のお世話になったなぁ…と当時を

思い出しつつも、治るのならそれが一番!と考え、浣腸を受けさせました。


結果は、普段よりも少ない程度で卵2個分。

ですよね…だって2日前にしっかり大ボリュームのを出してたもん(笑)


その日は便秘を改善する&出す系の薬等をもらって帰宅しました。

 

 

火曜日は保育園へ…しかし?

引き続き調子が悪そうならお休みをと考えていましたが、

本人曰く「元気になった!」とのことで、保育園へ登園しました。

担任の先生には『便秘』報告と、食欲不振が残っていることを伝えます。


何かあったら迎えに!と構えつつも、園から連絡も無くお迎えの時間になりました。

先生からは、お昼をほとんど食べなかったという報告を受けましたが、

おやつは食べたそうだし、変わらず元気そうな娘を見て安堵しました。


さて、帰ろう!園の玄関先で、娘に靴を履かせようと脚を見た瞬間、

驚きのあまり思わず口にしてしまいます。


「ねぇ、脚に…赤いブツブツが出てるよ、どうしたの!?」


娘は聞いていない様子で、あっという間に園庭へ走って行きました。


朝にはなかった、脚に広がるたくさんの小さな赤い斑点

保育園にいる間に出たみたいだけど、見るからに普通じゃない。

ただ、日曜日からほんの数個、確かにそれはありました


“脚に広がった小さな赤い斑点…やっぱり何か違う病気なのかも!”

 

 

赤い斑点の正体は?そして再度、腹痛も!

月子 イラスト ネットで検索

園から帰宅後すぐにネットで画像検索をし、病気の“当たり”を付けました。

小さな赤い斑点が特徴の『アレルギー性紫斑病』…聞いたこともない病気です。

もしかして違うかな?と思いつつも、ある一文で確信を得ました。

アレルギー性紫斑病の治療

  • 急性期は安静を保ち、症状に応じ治療します。(出血斑は動きが激しくなると増えますが、出血斑のみであれば厳しい安静は必要ありません)
アレルギー性紫斑病・紫斑病性腎炎 - 福岡赤十字病院小児科

“運動をすると赤い斑点が増える”…これって、保育園で運動をしたから?

私はほぼ、娘はこの病気だと思ったのですが、夫はあまり信じていない様子。

明日もう一度病院へ連れて行こう!と決めて、その日は就寝しました。


深夜になって、再び娘が「お腹痛いー!」と訴えはじめました。


どうしてやることもできず、ただただ背中をさすります。

眠気が勝つのでしょうか、娘は目を閉じたまま寝ぼけつつも、

「痛い!」と言っては、お腹を押さえながら何度も転がっていました。


そのうち、手首やひじの関節部分も痛いと言い出しましたが、

何もできない私は痛みを訴える娘をさすり…そして、朝を迎えたのでした。

 

 

別の小児科を受診。そして、総合病院へ。

水曜日の朝一で、前回とは別の小児科を受診。

今回は、今まで娘に起こった症状を先生に伝えるとともに、

下半身に広がった小さな内出血のような斑点を見せました。


この脚全体に広がった斑点が決め手となり、先生から

『アレルギー性紫斑病』だろうとの見解を告げられます。

また、小さな赤い斑点は、血管が炎症を起こし血液が漏れることでできる

斑点(紫斑(しはん)という)で、その部分を指で圧迫した後、色が消えないのが

特徴だと教えてもらいました。

(色が消えれば、湿疹などの“発赤”とのこと。)


そしてその後、先生の話はこう続きます。


「アレルギー性紫斑病には様々な検査が必要なのですが、

この病院では詳しい検査ができないので、今から総合病院を紹介します。

この後すぐ、そちらの病院へ行ってくださいね。」


近所の小児科では無理なんだ…という展開に驚きと不安を感じました。

『アレルギー性紫斑病』と原因が分かった時点で、後は治療をするだけと

私自身、勝手に思い込んでいたのです。


紹介状をいただいたその足で、総合病院へと向かったのでした。

 

 

総合病院での診察と検査

月子 イラスト 体操服姿の娘

紹介された先は大きな総合病院なので、初診はかなり待たされます。

ですが、夜中に訴えていた痛みが嘘だったかのように元気な娘は、

問題なく診察を待つことができました。(他の子と遊ぶ余裕も!)


診察室に呼ばれ、先生に娘を診てもらったところ、

やはり『アレルギー性紫斑病』との診断が出ます。

そして、そこから詳しい検査を受ける流れとなりました。


娘が行った検査は以下の通りです。

  • 身長、体重、血圧の測定
  • 尿検査
  • 血液検査
  • 細菌検査(喉の奥を綿棒で拭う)
  • 腹部超音波(エコー)検査
  • レントゲン検査

それぞれの検査を受ける時も、しっかりと待たされました。

以上の検査を終えた後は、昼食をとっても大丈夫と聞いていたので、

軽く昼食をとりながら休憩です。


検査の結果が出るまで再び待った後、診察室へと呼ばれました。

 

 

『アレルギー性紫斑病』とは?思っていたよりも“その後”が大変!

検査結果を元に、娘の現在の状態と今後について先生より話を受けました。

  • 症状としては重くはないが、腸が多少腫れている(腹痛の原因はこれ)
  • 尿検査の値は正常で、血液検査も大きな問題は無し
  • 腹痛があったので、腸重積(ちょうじゅうせき)*1等にならないよう気をつける
  • 今後、3ヶ月以内に腎炎を発症する可能性がある
    (約半数の患者が腎炎になり、1~2%は重症な腎炎で透析となることも)


特に治療方法はないそうですが、腹痛を関節痛を抑えるために最低2週間、

『プレドニゾロン*2という合成副腎皮質ホルモン剤(ステロイド)

服用を行うことになりました。


「このステロイド内服薬は、体内の炎症を抑える効果があるとともに、

免疫力も抑えてしまうので、服用中は風邪をひいたりケガをさせないよう

十分な注意が必要です。」


という説明を聞いた後、続けてこう告げられます。

月子 イラスト 入院しますか?

月子 イラスト 入院!?


「このまま入院をするか、または自宅療養をするか、どちらを選択しますか?」


「入院!?…短くても2週間は入院ってことですか?」…思わず聞き返します。


「そうですね。自宅療養でも大丈夫ですが、外出は禁止になりますよ。」


おぉぉぉぉ…マジすか…(汗)


3歳の娘の場合、入院となると親は泊まり込みで付きっきりとなるらしいし、


どちらもなかなかアレな選択肢…!!


結果的に自宅療養の方を選択します。

理由としては、我が家が自営業で基本的に夫婦二人とも自宅にいるので、

娘とずっと一緒にいることが可能だったからです。


「分かりました。ただ、もし熱が出たり容態が急変するようなら、

その時はすぐ病院に電話をし、連れて来てくださいね。」


帰宅後は娘が通っている保育園に連絡、2週間お休みする旨を伝えます。

そしてここから、一家の引きこもり生活はスタートしたのでした。


↓ この次の記事に、発病から半年後と1年後の経過報告を追記しています。

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*1:スライドさせて伸ばす望遠鏡のように、腸の一部が別の部分にすべり込んでいく病気。入り込んだ腸の一部は腸を閉塞させ、血流を遮断。
参考→腸重積: 小児の消化器の病気: メルクマニュアル 家庭版

*2:炎症やアレルギーをおさえる薬。
参考→プレドニゾロン:プレドニン