最近、“ADHD(発達障害)は生まれつきのものだけど、実は自身を取り巻く
環境からの影響も大きいんだよ!”という記事を2本書きました。
その内容とも多少関連しますが、今回はオメガ3脂肪酸とADHDとの深い関係性、
またADHDにとってオメガ3脂肪酸(EPAとDHA)がどれくらい重要なものなのか
徹底的に掘り下げています!
さらにこの記事は、ADHDの治療薬(コンサータ等)の服用を悩んでいる方や
服用に抵抗のある方、また治療薬の副作用が強くて止めてしまった方等に、
治療薬以外の選択肢として、サプリメントを試してみるという手段があることを
知ってもらいたくて書いた内容です。
併せてADHDの診断はないけれど、日頃の不注意や衝動性が気になっている方にも
多少役立つ情報があるかと思います。
私自身はADHDの治療薬を服用中ですが、そのADHDの治療薬とオメガ3脂肪酸を
組み合わせた場合についての話にも触れています!
長めな記事ではありますが、よろしければ最後までおつき合いください。
- ADHDとオメガ3脂肪酸との関係性に迫る!
- ADHDの治療薬とオメガ3脂肪酸、組み合わせての服用…!?
- ADHDに必要なEPAとDHAについて学ぶ!
- オメガ3脂肪酸をサプリメントで摂ってみる!
- <番外編>亜麻仁油からEPAとDHAって、どれくらい摂れる?
- 最後に
ADHDとオメガ3脂肪酸との関係性に迫る!
今回もメインでお世話になるのは、アメリカの精神科医ダニエル・エイメン博士の
書籍『新訂版「Healing ADD」』です。
ADHDはオメガ3脂肪酸のレベルが低い!?
オメガ3脂肪酸は幾つかの研究でADD*1児に役立つことが判明し、さらにADDを持つ人々は、血液中のオメガ3脂肪酸のレベルが低いことがわかっています。
20.Supplement Strategies for ADD Types - Healing ADD Revised Edition: The Breakthrough Program that Allows You to See and Heal the 7 Types of ADD[Kindle版]
これまで知らなかったのですが、ADHDを持つ人は定型発達者と比べて
血液中のオメガ3脂肪酸値が低いそうです…。
これって、人一倍オメガ3を摂取しなければいけないということでしょうか!?
ADHDの人がオメガ3脂肪酸の血中濃度が低い原因について、私なりに
調べてみましたが、どうやらその原因ははっきりとわかっていないようです。
オメガ3脂肪酸とADHD、その改善作用を検証したメタ解析の研究報告が
ありましたので、こちらも参考にどうぞ。
(ADHDのオメガ3脂肪酸の血中濃度の低さ等が見出されています。)
オメガ3脂肪酸とは?
オメガ3脂肪酸は、EPAおよびDHAという2つの主要な構成要素を持っています。DHAが鎮静化させる傾向にありながら、EPAは活性化させる傾向があります。
20.Supplement Strategies for ADD Types - Healing ADD Revised Edition: The Breakthrough Program that Allows You to See and Heal the 7 Types of ADD[Kindle版]
脂肪酸は脂肪の構成成分で、飽和脂肪酸*2と不飽和脂肪酸*3の2種類があります。
不飽和脂肪酸は一価不飽和脂肪酸と多価不飽和脂肪酸に分けられ、
さらに多価不飽和脂肪酸はオメガ3脂肪酸とオメガ6脂肪酸に分類されます。
オメガ3脂肪酸とは、
- α-リノレン酸(ALA)
- エイコサペンタエン酸(EPA)
- ドコサヘキサエン酸(DHA)
これらを代表とする脂肪酸の総称をいいます。
オメガ3脂肪酸は人間の体内で作ることができないため、
食事から摂取する必要がある“必須脂肪酸”として位置づけられています。
α-リノレン酸を原料として、EPAやDHAを体内でつくることができますが、
詳しくは後述します。
↓ 脂肪酸の分類イラスト、EPAとDHAの違い等がわかりやすく書かれていました。
オメガ3脂肪酸、ADHDへ効果あり!?
ここに幾つか最近の研究の概要があります。
20.Supplement Strategies for ADD Types - Healing ADD Revised Edition: The Breakthrough Program that Allows You to See and Heal the 7 Types of ADD[Kindle版]
スリランカの研究は、6ヶ月以上リタリン*4による治療と行動療法に耐性があった*5100人の子供(年齢6〜12)に、オメガ-3/6脂肪酸または偽薬(プラセボ)の組合せを与えました。
結果は治療の3ヶ月後と6ヶ月後に親が作成した、自己評価チェックリストを使って測定されました。
この研究結果については、以下の通りです。
- 治療群はプラセボ群と比較して、落ち着きのなさ、攻撃性、勉強の完了、学業成績において有意な改善が見られました。
- 不注意、衝動性については、統計的に有意な改善は3ヶ月間の治療では見られず、6ヶ月間の治療では明らかになりました。
エイメン博士は研究結果を受け、こう述べています。
「これはあなたが忍耐強い必要があり、またオメガ3脂肪酸に対し
作用するまでの時間を与えなければいけないことを意味します。」
紹介された研究の内容については、下記リンクより確認することができます。
↓ 同じような研究ですが、こちらはADHDの子供と青年を対象に行なっています。
Omega-3/omega-6 fatty acids for attention deficit hyperactivity disorder: a randomized placebo-controlled trial in children and adolescents. - PubMed - NCBI
(訳) 注意欠陥多動性障害のためのオメガ3/オメガ6脂肪酸:小児および青年における無作為プラセボ対照試験
ADHDの治療薬とオメガ3脂肪酸、組み合わせての服用…!?
今回色々と調べていくうちに、とても興味深い研究を発見しました。
日本で現在ADHDの治療薬として認可されている2種類の薬、メチルフェニデート*6と
アトモキセチン*7のそれぞれに、オメガ3脂肪酸を組み合わせるという内容です。
私自身がADHDの治療薬を服用中なので、さらにオメガ3脂肪酸を追加した場合
どうなるのか…これらの研究が多少なりとも参考になりそうだと感じました。
それぞれの研究の内容と結果について、印象的なものを紹介したいと思います。
メチルフェニデート(コンサータ等)とオメガ3脂肪酸
メチルフェニデートは世界で最も一般的に認められている
ADHDの治療薬とのことで、その研究も世界中で行われているようです。
その中で一番わかりやすかった研究は、2000年から2015年までに発表された
オメガ3に関する研究を見直し、オメガ3脂肪酸のADHDの治療への有効性や安全性、
またオメガ3脂肪酸とメチルフェニデートの組み合わせによる効果等を
まとめ上げて論評した研究報告でした。
Critical appraisal of omega-3 fatty acids in attention-deficit/hyperactivity disorder treatment. - PubMed - NCBI
(訳) 注意欠陥/多動性障害の治療におけるオメガ3脂肪酸の批判的検証評価
この研究では、ADHDの治療におけるオメガ3脂肪酸の重要性が示されています。
結論としては、“オメガ3脂肪酸がADHDに対して有意”であり、副作用も“胃痛や
ムカムカ、下痢などの胃腸の不快感”しか報告されず、また“軽度のADHD患者では
オメガ3脂肪酸の治療がより効果的と言える”とのことでした。
さらに、メチルフェニデートとオメガ3脂肪酸のサプリメントを組み合わせた場合、
“メチルフェニデート単体で服用するよりも、食欲不振や体重減少といった副作用が
優位に低かった”ことがわかっています。
このことから、“副作用の苦痛を軽減するためメチルフェニデートとオメガ3脂肪酸を
組み合わせることで、メチルフェニデートの投与量を減らすことができる”
と結論付けていました。
↓ 上記の研究の詳しい内容をこちらで確認することができます。
アトモキセチン(ストラテラ)とオメガ3脂肪酸
オメガ3脂肪酸とアトモキセチンを使用した比較研究がインドで行われ、
その内容が2016年に報告されていました。
メチルフェニデートを使用した研究が多い中、この研究報告は貴重だと思います。
Effect of Poly Unsaturated Fatty Acids Administration on Children with Attention Deficit Hyperactivity Disorder: A Randomized Controlled Trial. - PubMed - NCBI
(訳) 注意欠陥多動障害児に対する多価不飽和脂肪酸投与の効果:ランダム化比較試験
アトモキセチンのみと、アトモキセチン及びEPAとDHAの組み合わせをADHD児に
4ヶ月間投与したところ、“アトモキセチンにEPAとDHAを組み合わせたグループの
ADHDの症状が軽減した”そうです(特にADHD混合型の男児において)。
ただしこの結果は統計的に有意ではなかったので、今後の研究において投与期間を
より長くし、オメガ3脂肪酸の用量も検討する必要があるとのことでした。
ADHDの治療薬とオメガ3脂肪酸との関係性について、ADHDの治療薬を単体で
服用するよりも、オメガ3脂肪酸サプリメント等を組み合わせた方が
よりプラスな方向に向かうことを示唆しているのではないでしょうか?
今後も様々な研究からADHDに有意な情報が出ることを期待したいと思います。
ADHDに必要なEPAとDHAについて学ぶ!
(ADHDの)タイプ1と2については魚油の高用量のEPA成分を、そして(ADHDの)他のタイプにはEPAとDHAの組み合わせをおすすめします。
20.Supplement Strategies for ADD Types - Healing ADD Revised Edition: The Breakthrough Program that Allows You to See and Heal the 7 Types of ADD[Kindle版]
エイメン博士は、ADHDのタイプによって処方の内容を変えているようです。
分かりやすく説明をすると、以下の通りです。
- タイプ1と2『典型的ADHD・不注意型ADHD』は、特にEPAを多めに服用する。
- タイプ3~7『過集中・側頭葉型・辺縁系型・火の輪型・不安型ADHD』は、EPAとDHAを組み合わせて服用する。
※ADHDのそれぞれのタイプについては、過去記事を参照してください。
オメガ3脂肪酸の中でも、魚油に含まれるEPAを特にすすめる理由について、
下記のメタ解析の研究結果を挙げていました。
Omega-3 fatty acid supplementation for the treatment of children with attention-deficit/hyperactivity disorder symptomatology: systematic review an... - PubMed - NCBI
(訳) 注意欠陥/多動性障害の子供の治療のためのオメガ3脂肪酸サプリメント:系統的レビューとメタ解析*8
解析の結果、オメガ3脂肪酸の補給はADHD症状を改善するのに
小さいながらも効果を示し、サプリメント内のEPAの投与量は、
サプリメントの有効性と相関していたとのことです。
特に、“高用量のEPAを用いたオメガ3脂肪酸の補給は、ADHDの治療に適度に
有効であった”と結論付けられていました。
ADHDにとって1日に必要なEPAとDHAの摂取量とは!?
- 大人には1日あたり、2000〜4000mgを摂るようすすめます。
- 子どもたちは1日あたり、1000〜2000mgを摂る必要があります。
エイメン博士はこのように述べていますが、実はこれ、かなりの量です!
ちなみに、日本でのDHAとEPAを含むオメガ3脂肪酸の摂取目安は、
『成人男性で2,000~2,400mg/日、成人女性で1,600~2,000mg/日』*9
となっています。
様々な研究報告から『ADHDの人は、血液中のオメガ3脂肪酸のレベルが低い』
と示されているので、この摂取目安が定型発達者を基準にしたもの…と考えると、
やはり人より多めに摂取する必要があるのかも*10しれません。
結果的に、ADHDの人はオメガ3脂肪酸の血中濃度が低いことが問題であり、
その血中濃度が上がることで、ADHDの症状改善が考えられる*11とのことです。
EPAとDHAを大量摂取しても大丈夫?
「ADHDだからEPAやDHAをたくさん摂らなければ!」ということで、
大量摂取をしても大丈夫なのか、そのリスクについても調べてみました。
EPAとDHAを組み合わせての摂取については、以下の通りです。
- 欧州食品安全機関(EFSA)では、“1日5gまでは特に問題はない”*12
- アメリカ食品医薬品局(FDA)では、“サプリメントからは1日2g以下、オメガ3脂肪酸は総計で1日3gを超えないように推奨する”*13
- 日本では特に上限について示されていませんが、国立健康・栄養研究所*14で紹介された記事では、“EPA/DHA混合物の許容上限摂取量として1日4g程度、サプリメントからの摂取量は1日3g程度に抑えておけば安全性上問題はなさそう”*15
アメリカ国立補完統合衛生センター(NCCIH)のサイトでは、
オメガ3脂肪酸のサプリメントの安全性について、このように記載しています。
Safety - Omega-3 Supplements: In Depth | NCCIH
- オメガ3脂肪酸のサプリメントには通常、副作用がありません。副作用が起きると、一般的に軽度な胃腸症状(例えば、げっぷや消化不良、下痢など)がみられます。
- オメガ3サプリメントによって、出血時間(傷の出血を止めるのにかかる時間)が長くなるかもしれません。抗凝固剤(“抗凝血剤”)や非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)など出血時間に影響を及ぼす薬を服用する人は、オメガ3脂肪酸サプリメントの摂取について医療スタッフと相談してください。
EPAとDHAを含むオメガ3脂肪酸サプリメントについては、様々な研究において
重度な副作用は報告されていないようですので、上記の範囲内で服用する分には
過剰摂取とはならず、大丈夫かと思います。
サプリメントの服用について
薬物治療中はサプリメントを追加する前に常に主治医に相談するようにしてください。幾つかのサプリメントは薬と互いに影響しあうので注意が必要です。
20.Supplement Strategies for ADD Types - Healing ADD Revised Edition: The Breakthrough Program that Allows You to See and Heal the 7 Types of ADD[Kindle版]
エイメン博士は書籍内で、サプリメントの服用についてこう述べています。
先ほど、オメガ3脂肪酸のサプリメントの安全性について記載しましたが、
薬とサプリメントを併用する際には、必ず主治医や薬剤師に相談し、
適切に使い分けることが大切です。
オメガ3脂肪酸をサプリメントで摂ってみる!
サプリメントなんて、実際に飲んでみないことにはわからないですよね?
私もオメガ3脂肪酸のことを知ってすぐに摂りはじめました。
ADHDの症状として、私はタイプ2『不注意型』がほぼメインなので、
できるだけEPA成分が多めのサプリメントを選びたい!と思いつつ
色々と探しまくった結果、現在はこちらのサプリメントを服用しています。
ウルトラオメガ3
ウルトラオメガ3(Ultra Omega-3) Now Foods
【1カプセル】Fish Oil:1,000mg
◆EPA:500mg+DHA:250mg=総オメガ3脂肪酸:750mg
1カプセル1,000mgの中にオメガ3脂肪酸が750mg、うちEPAが500mg
という割合は、数あるサプリメントの中でも含有量が圧倒的!
(あと、お値段的にもお財布に優しいです♪)
このサプリはソフトカプセルに腸溶性のコーティングがされているらしく、
げっぷが出たときに魚臭さが上がってきにくくなっています。
ただ、海外製だからか…1つのカプセルのサイズがでかいっ!!!
日本製のサプリメントに慣れていると「…これ、飲めるん!?」と思うレベル(笑)
もちろん飲めますが、飲むのに毎回気合いが必要かなー?(←大げさ)
↑ ドーン!と半端ない存在感!長さが2.5cmで直径1cm…あります(驚)
このサプリを1日3回毎食後に飲めば、オメガ3が2,250mgも摂取できる!
と思いましたが、今のところ推奨された服用量の1日2回1,500mgに留めています。
しばらくその量で様子を見ていましたが、そろそろ増量予定です。
※この商品は海外直送品になるので、手元に届くまで時間がかかります。
オメガ3
オメガ3(Omega-3) Now Foods
【1カプセル】Fish Oil:1,000mg
◆EPA:180mg+DHA:120mg=総オメガ3脂肪酸:300mg
ウルトラオメガ3を知るまでは、こちらのサプリを4ヶ月くらい飲んでいました。
コスパがかなりいいので含有量等は深く考えずに飲んでいたのですが、
『EPAを多く摂ろうと思うと、1日何錠飲まなきゃいけないんだ!?』
ということに気づき(気づくのが遅い!)、ウルトラオメガ3に切り替えたのでした。
オメガ3脂肪酸のサプリメントがどんな感じか試してみたいという方には、
お値段的にもこちらがはじめやすいかと思います。
このオメガ3のサプリも1カプセルが大きいので、覚悟してくださいね(笑)
<番外編>亜麻仁油からEPAとDHAって、どれくらい摂れる?
以前、過去記事において“亜麻仁油(アマニ油)を毎日摂る”ことをおすすめしました。
亜麻仁油の中には、オメガ3脂肪酸であるα-リノレン酸(ALA)が含まれています。
α-リノレン酸はキャノーラ油(なたね油)などにも含まれており、その含有量は
約7.5%*16ですが、亜麻仁油はその7倍以上、50%を超える含有量となっています。
α-リノレン酸を原料として、EPAやDHAを体内でつくることができますが、
もし、亜麻仁油に含まれるα-リノレン酸からEPAとDHAを摂取しようと考えた場合、
実際にどれくらい量を摂ればいいのか?調べてみました。
↓ オメガ3脂肪酸と亜麻仁油について書いた記事はこちらです。
亜麻仁油から摂取できる、EPAとDHAの量を算出!
亜麻仁油におけるα-リノレン酸含有量は、56.6%*17ですが、
私が以前オススメした『ニップン アマニ油プレミアムリッチ 150g』は、
小さじ1杯:約4.6gあたり、α-リノレン酸が3.2g含まれている*18とのことで、
驚きの約70%の含有量となっています!
今回はこの数値を参考に算出してみます。
α-リノレン酸からEPAやDHAに変換される割合は、10-15%程度*19とのことで、
“ 3,200mg × 15%=480mg ”(割合は多めの15%で算出しました)
小さじ1杯の亜麻仁油からは、EPAとDHAが計480mg摂取できる計算になります。
数値を見て、“結構摂れる!”と思われたかもしれませんが、
実際のところ、α-リノレン酸(ALA)からEPAとDHAへの変換率は
様々な研究より下記のように報告されています。
第2章 オメガ3系脂肪酸に関して・α - リノレン酸の代謝 6. 長鎖オメガ3系脂肪酸への変換(P20) - アマニ - その健康と栄養に関する小冊子(第4版)
- EPAへの転換率は 0.2~8%、また若い女性*20の場合には 21%と高い値になっています。
- DHAへの転換はヒトでは限られているようで、ほとんどの研究では転換率は 0.05%程度です。ただし、若い女性の場合は 9%と報告されています。
この変換率は、成人男性及び男女における幾つかの研究結果の数値となります。
男性より若い女性の転換率が大きい理由として、エストロゲンのレベルが高いこと、
さらに女性のALAのβ酸化が低いことが考えられるそうです。
また、上記よりも新しい研究で報告された変換率がこちらです。
ALAからDHAへの変換率が 0.1%未満であり、EPA + DHAへの変換率が総合的に 0.4%未満であることを示した。(2005年)*21
ヒトにおけるALAとDHAの変換効率 - Conversion Efficiency of ALA to DHA in Humans | Overview
これらのことから、α-リノレン酸からEPAやDHAへの変換率は年齢や性別、
また研究方法によってもその差があることが確認できます。
以上の内容を含めた上で考慮すると、亜麻仁油からEPAやDHAを摂取するには
かなりの量が必要となり、これで全てを補うことは難しいかと思われます。
私自身としては、亜麻仁油とサプリメントの併用が良さそうだと感じました。
最後に
現在、ADHDの治療薬を服用中の私がオメガ3脂肪酸(EPAとDHA)の
サプリメントを追加で飲みはじめたのには大きな理由があります。
それは、EPAを摂取することによりもしかすると今後、ADHDの治療薬を
減らせる可能性、またいつか治療薬をやめた時に力になってくれるかもしれない
という可能性等を多少なりとも感じたことにはじまります。
実際にはどうなるかわかりませんし、その日が来るのはまだ随分先だと思います。
ウルトラオメガ3を服用しはじめて約2ヶ月。
効果が感じられるようになるのに、長くて6ヶ月ぐらいはかかるとのことですし、
そもそも私自身が、ADHDの治療薬を服用しながらサプリメントを追加しても
その効果について、よくわからないという可能性があります。
(ADHDの治療薬よりもサプリメントの効果の方が穏やかだからです。)
それでも飲み続けることにより、多少なりとも脳の底上げ(というのかな?)が
できればいいなという期待を込めつつ、今回の記事を書いてみました。
私もですが、ADHDを持つことで日常生活に多少なりとも困難を感じている方の
症状が少しでも改善し、日々が過ごしやすくなることを切に願っています!
(主治医曰く、“脳が疲れにくくなった”という患者さんもいるそうですよ。)
最後になりましたが、今回の記事をもってエイメン博士の書籍からの紹介を
一旦おしまいにしたいと思います。
それでは、また次回お会いしましょう♪
↓ 前回はADHDのお役立ち記事として、こちらの内容を書きました。
↓ ADHDの治療薬、コンサータについての関連記事一覧です。
↓ ADHDの治療薬、ストラテラについての関連記事一覧です。
◆ブログランキングに参加しています
*1:エイメン博士は「ADHD/ADDの障害を持つ人の半分は、多動を持っていない(特に女の子)ので、多動性(H)の要素を強調するADHDという名称より、ADDという名称を好む。」とのこと
*2:ラードやバターなど、肉、乳製品の動物性脂肪や、ココナッツ油など熱帯植物の油脂に多く含まれる。
*3:サバやイワシなどの青魚やオリーブオイルやサラダ油など植物性脂肪に多く含まれる。
*4:商品名:Ritalin メチルフェニデート製剤。日本では同じ成分の徐放製剤、コンサータがADHDの治療薬として認可されている。
*5:『耐性があった』とは、既にADHDの治療を受けていたが、その改善が見られなかったという意味
*6:ADHDの治療薬の一種:コンサータ、リタリン等。この薬物を使った治療が、アメリカにおいて最も一般的に使用される治療法とのこと
*7:ADHDの治療薬の一種:商品名はストラテラ。『選択的ノルアドレナリン再取り込み阻害薬』と呼ばれる。
*8:699人の子供を含む10件の試験が、このメタ解析に含まれていました。
*9:「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」報告書、II 各論:1─3 脂質(PDF:1,279KB)内に記載
*10:エイメン博士は、アメリカのADHDに向けてEPAとDHAの摂取目安を記載しているので、日本人は魚を食べる分、摂取量は少なめでもいいのかなとも思います。
*11:Hawkeyらの研究:『(訳) オメガ3脂肪酸とADHD:補充試験の血中濃度分析およびメタ解析の拡張』より
*12:欧州食品安全機関(EFSA)、エイコサペンタエン酸(EPA)、ドコサヘキサエン酸(DHA)及びドコサペンタエン酸(DPA)の許容上限摂取量に関する科学的意見書を公表:食品安全関係情報詳細
*13:FDA、オメガ3脂肪酸の限定的健康強調表示を発表:FDA Announces Qualified Health Claims for Omega-3 Fatty Acids ※現在このページは削除されています。もしかすると、見解が変わった可能性も?
*14:国立健康・栄養研究所:栄養と健康に関する調査研究を行っている日本の研究機関
*15:栄養研:安全性及び有効性の視点から見たドコサヘキサエン酸の適正摂取量の評価 (研究紹介)
*16:参考値は、「日本食品標準成分表2015年版(七訂) 脂肪酸成分表編:文部科学省」より「なたね油」(脂肪酸総量 100g当たり)の値を百分率で記載
*17:参考値は、「日本食品標準成分表2015年版(七訂) 脂肪酸成分表編:文部科学省」より「あまに油」(脂肪酸総量 100g当たり)の値を百分率で記載
*18:一般的なアマニ油の場合、小さじ1杯に含まれるα-リノレン酸は2.5g
*19:参考:「Omega-3多価不飽和脂肪酸の摂取とうつを中心とした精神的健康との関連性について探索的検討-最近の研究動向のレビューを中心に-」『人間科学研究』第30号 2008年
*20:この研究においての女性の平均年齢28歳だそうです。
*21:Husseinらの研究:『(訳) 男性の食事摂取量の著しい変化に対応した[13C]リノール酸とα-リノレン酸の長鎖変換』より